眠りの夜と目覚めの朝

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俺が頭を抱えていると、おっさんはもう一つ質問をしてきた。  『君は名を何と言うのかね? いつまでも検体0000――コードレスナンバー、では少し違和感があるのでね。 記憶のチェックでもある。』 ゙コードレスナンバー゙とか厨二くせえ。 名前……名前、ね。  「………『コン』か『コウ』。 好きに呼んでくれ。」 そう言うと、おっさんは少し悩んでから、口を開いた。  『そうか。 では「アヌクリウス・ウェズリー」でいいかな。』  「ごめんね、言い方間違えた!! コンかコウの2択で好きな方を選んで呼んで!!」 スムーズに会話できない理由ってもしかしたら言語より思考の問題かも知れない。 じゃあコンでいっか、いいよね?と言うおっさん達のぼやきを優秀なマイクは俺の耳へと届けてくれた。 全く俺の思考の斜め上を行く奴らだな……。 少しゴチャゴチャ話して、おっさん達はどこかへと行ってしまった。  「………え? 何これ放置?」 この部屋やることねえぞ。  「心配はいらない。 これから君にはこの時代に慣れて貰う。」 そう言いながら、ガラスの真下、壁だと思ってた所が開き、さっきのどうかしてるおっさんが現れた。  「その為の説明をしよう。 来なさい。」 おっさんは、手を差し出す。 俺がその手を取り、立ち上がるとおっさんは部屋の外へと連れ出した。
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