眠りの夜と目覚めの朝

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 「まずはここが廊下だ。」 部屋から出るなりそう説明したおっさん。 廊下とか見たまんまやんけ。  「廊下くらい分かるっつーの。 各部屋の詳細とトイレの場所だけ教えてくれ。」 そう言った俺に、おっさんはそうかね?と呟いた後、しばらく無言で廊下を歩いていく。 俺も俺で何も話す事はない訳だし、ただおっさんに付いていく事にした。 しばらく歩いて、エレベーターらしき物に乗り、また廊下を歩くと、人気が多くなって来た。  「ここが食堂だ。 ……あー、あそこでいいか。」 おっさんは窓際の2人席に俺を座らせると、何かを頼みにいった。 俺、好き嫌い多いんだけど大丈夫だろうか。 暇になった俺は辺りを見回した。 窓は全部磨り硝子のようになってて、外など見えやしない。 食堂内には3~5人位のグループが4つ程いて、思い思いの席で雑談しつつ何かしらを食べていた。 背もたれに白衣を掛けている所から、研究員なんだろう。 カレーとカルボナーラの健在ぶりに安心した所で、おっさんがガラスコップに入れられた黒い液体を持ってきた。  「『悪魔のような天使の涙』だ。 飲みたまえ。」 俺なんかヤバいモン出されたかも知んない。
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