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「ねぇ、珠姫ちゃんやろうぜ、男子生徒ー。」
縋り付くような声を出しながら言うと珠姫は引き気味に答えた。
「いや、ちょっとねえ……。」
「無理強いは良くないですよぉ。」
珠姫を控えめに庇った花梨は続けて言う。
「1人でやるのが嫌なら、今からでも断ってくればよいのではないでしょうか。」
「ふっ、わかってないな、花梨ちゃん。」
首を傾げる花梨と珠姫に、俺は一拍溜めてから告げた。
「俺はやりたいんだよ!!」
「じゃあ1人でやればいいじゃんよ、訳分かんないなー!!」
黙って話を聞いていた実菓が突っ込む。
その時、珠姫の親が車を出して来た。
「あ、お父さん達来たみたい。」
帰ろうとする珠姫に実菓が言う。
「ねえ、皆アドと番号交換しとこうよ。 連絡取り合えるし。」
あー、まあ、いいか。
花梨も賛成なのか、淡いピンクの携帯を取り出した。
「じゃあ、ウチと珠姫ちゃんが交換してる間に、花梨ちゃんと昏ちゃん?が交換してー。」
「なんで今『ちゃん』にハテナ付けた?」
「ちゃん」か「君」かで迷った、と告げる実菓に、呼び捨てでいい、と答えつつ、俺と花梨はプロフィール交換を終えた。
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