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風代達と共に車に乗り込んで、彼女達の家に向かう。
その間に、いろいろと聞いておいた。
まず、風代には子供が二人いる事。だがその二人はあまり霊力が強くないらしい。
そしていつか分からないが、どこかで浮遊霊と戯れている夕鶴を見付けたと。
後はそこら中から情報を集め回り、夕鶴の家を割り出した。
「……怖」
自分のプライバシーはないのだろうか。教えた人もそうだが、探し回る彼らが悪い。
文句を言う気にもなれなかったのだが、やはり気分が悪いのには変わりはなくて。
自分は龍嘉家につくまで、ずっと無言になってしまっていた。
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「うわぁ」
車から降りてすぐ、その家を見てあからさまに顔を引き攣らせてしまった。
龍嘉家の敷地は広すぎる。広大な庭に巨大な家。城のような作りになっているようだ。
「迷いそうだわ」
ぽつりと呟いた後、すぐに待ち構えていたメイドらしき人達に連れ去られた。
「な、何?」
「巫女姫の儀式の準備ですわ」
早い。今日決まったばかりなのに、もうするのか。
ため息をついたが反抗はしない。されるがままの方が楽でいい。
抵抗しても無駄。それなら、体力の無駄遣いなどしたくないから。
ぼんやり屋敷の外を眺めていた自分は、いつの間にか立派な巫女装束を身に纏っていた。
髪も結いあげられ、完璧な巫女さんスタイルだ。
「コスプレしてるみたい。出ておいで、叉玖(さく)」
ふ、と夕鶴の肩に青白い炎が浮かび上がり、その中なら真っ白な体に薄い青の模様が入った狐が姿を現した。
子猫ほどの大きさのそれは、『オサキ狐』と呼ばれる妖狐だ。
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