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今から40年前、夜空に突如発生した流星雨。
不気味な程に紅く光る物体は数多に地上に降り注いだが、それらは等しく地を穿つこともなく、何一つとして痕跡が残らなかった。
残ったものは当時を語る人間の記憶という曖昧なもののみで、当然謎に包まれていた。
その正体は、今も尚解明されていない。
しかしその後、世界各地で異変が起こった。
一つは、動植物の突然変異と異常発達。世界中の様々な動植物が姿を変え、生態系が乱れた。勿論、全ての動植物が突然変異を起こしたわけではないのだが、変異しなかった弱き生物は淘汰されて徐々に数を減らしていった。突然変異種における共通点は縄張り意識が強く、好戦的であるということ。いかに武器を持ち警戒しようとも襲われない確証はなく、人々は恐怖し国や街を守る壁を高くして力ある者を頼った。
また、人間も例外ではなく影響が及んだ。しかしこちらは急に変化が現れたわけではなく、その頃から本当にごく僅かずつ不思議な力を持つ者が現れ始めた。
最初は軽い物を持ち上げる程度の力しかなく、使えるものも世界中に数える程しかいなかった。しかし時の王はその力を、いずれ強大な力になるだろうと判断して自らの元に集めた。抗う者は逆賊だと粛清の名のもと命を奪われ、従う者さえも家族を人質に取られた。
それまでのゆっくりとした進化は、無理矢理変化させられていった…
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