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こうなったら全てを話そう。
そのうえで美紀が告白するのなら、上原に決断を委ねよう。
上原がもし、美紀を選んだとしても恨むことはない。美紀は親友なのだから……。
しかし、美紀はどうだろう? 上原が綾子と付き合い続けると言ったとしても、今までと変わらないでいてくれるだろうか?
いやそれは無理だ。それ以前に、美紀を裏切って付き合っていることが問題なのだ。
今まで通りの友達関係ではいられない。美紀からすれば、彼女の恋の悩みを高笑いして聞いていたようなものなのだ。
――どんなに美紀が好きでも、もうあたしと付き合っているのよ。あなたにチャンスはない。
そういう風に馬鹿にされていたと思うに違いない。もし、自分が美紀の立場だったらそう思っていたはずだ。
とにかく自分の軽はずみさに嫌気が差した。
なぜ上原を好きになってしまったのか。親友を裏切ってまで付き合わなくてはいけなかったのか。
ただ、このままでいいわけがないというのは分かっていた。例えどんなに嫌われたって、美紀が告白する前に本当のことを言わなければならない。
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