最後の愛

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奪い取るようにして、カップラーメンを取ると、その代わりに、清珱館のカボチャケーキの箱を押し付けるように渡す。 『今日からお向かいに引っ越してきた者です 一切関わることはないと思いますが、よろしくお願いします。 それ一応、生物(なまもの)ですので、早く食べてください。 あと、そこに置いてあるカップラーメンも、よかったらどうぞ』 そのまま睨みつける。 「勘違い男」 どうせ日本語なんてわかんないと思い、悪口。 言葉が通じない相手に失礼だと思ったけど、人を変質者扱いしたこの人が悪い。 自分の方がよっぽど怪しいくせに。 私は、一礼だけして部屋に逃げ込む。 ほんとに腹立つ。 そして、廊下に散らばったカップラーメンを見て、体の力が抜けたかのように、その場に座り込んだ。 .
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