最後の愛

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リョウクが包丁を取りにキッチンに入ってくる。 何か言い足そうな目をしてる。 けど弟達に急かされて行ってしまう。 それとすれ違うかのように、ヒチョルが入ってくる。 …こいつはごまかせないよなぁ…。 わざとらしく冷蔵庫からミネラルウォーターを飲むヒチョル。 HC『おかえり』 LT『うん。ただいま』 HC『なんか嬉しいことでもあったのか?』 ストレートに聞いてくる当たり、お前らしいよ。 そしてどんな些細な俺の変化にも気がつくヒチョル。 LT『ん~。あったにはあったんだけど』 カップラーメンを片付け終え、帽子とマスクを外す。 ヒチョルに近づきヒチョルの手からペットボトルを取ると、ゴクゴクと飲む。 LT『ヒチョルにはまだ秘密』 ヒチョルの眉間にシワがよる。 何気にその顔好きだなぁ~って思ってると… HC『勝手に飲むな』 ヒチョルからの一発。 力を入れないところが、またヒチョルらしい。 ごめんなヒチョル。 まだお前には言えない。 …言いたくない。 あっそういえばあの子が言っていた「勘違い男」って何だろう? LT『ソンミーン』 リビングにいるソンミンに声をかけると、美味しそうにケーキを頬張っている。 LT『あのね聞きたいんだけど、日本語で「…か…かんちがいおとこ」ってどう意味?』 ソンミンが目を見開いて驚いたように俺を見たあと、腹を抱えて笑い出した。 SM『ははっ…なにっトゥギヒョンっ 誰かにっ言われたのっ それね韓国語で勘違い男って意味だよ』 笑いを堪えながら教えてくれると、また笑い出す。 周りの弟達も一緒になって笑い出した。 …おまえら、人事だからって笑いやがって。 俺だってショックなんだぞっ 勘違い男って… 確かに勘違いだったけど… 肩を落としている俺に、横で肩を震わせているヒチョル。 ……。 ほんといい性格してるよ。 .
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