焦がれるほどに…

…９

あれ以来…

やっぱり課長は課長で…

日々、眉間のしわが深くなり、
眼光が鋭いようなことも有りますが、

それでも、課の中で失敗が有ると、一度ドカンと叱りつければ、その後は何も言わず黙ってフォローする姿は、感服致しました。

その課長の役に立つことで、

私の消化不良の気持ちは、なんとかなっていたのかも知れません。

「矢崎…お願いします。」

内線で電話をしています。
もう少し…電話応対何とかなりませんかね？
敬称略で呼び出すの…ちょっとまずいと思いますよ。

来月頭の展示会に出品する試作機を作っているので、

正直、忙しいです。

こんな私でもあちこち行かされ、

試作で使用する部品の納品書を経理課に持っていったり、

購買課にお邪魔しては納期確認をし、

そのスケジュールに合わせ武田さんに生産管理を任せる…

その総括を、今回は高木さんがやっていたのですが、

今日は娘さんが急病とかで…会社を休んでいます。

ちなみに飲み会で出た「栞」とは、

高木さんの奥様で、課長とも学部は違えども同じ大学だったそうで、

高木さんを交えて…ずいぶん親しいようでした。