5人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
俺には父さんがいない…いやいないわけではないがいないに近い。
仕事、仕事で家にはほとんどいない。でも家で会うと超親バカか?と思うくらい構ってくる。
俺もあまり会えない父だから嫌がりはしないがさすがに暑苦しい。
「はあ…たりぃな。サボろうかな。」
と呟きながら学校と逆の方向へ行こうと体を反対に向けた瞬間、
「げっ……」
あいつだ。
「コラ、今、サボろうかな~とか思ったでしょ?」
「いやっ?」
「しらばっくれるな!」
「目をそらしながら言われても説得力ゼロですねぇ颯太くん」
こいつは 桃香。さっき言っていた中学のクラスメイト。家が近所でよく登校前に会うので厄介だ。
「行くよ!行けばいいんだろ?」
「うん。行けばいい。」
「幼なじみなんだから行動パターンは読めるよ」
とクスクス笑いながら話す。
菜々子とは中学から知り合ったが桃香とは幼稚園からの腐れ縁だ。
「あっ!待ち合わせ遅れるっ!じゃっちゃんと学校くるんだよ?!」
「はいはい。」
「じゃあとでね!」
「おう」
というとあいつは俺の横を通り抜け走っていった。
しょうがねぇ…行くか。
と俺もあいつが走っていった方へ歩いて学校へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!