番外編:颯太の思い

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俺には父さんがいない…いやいないわけではないがいないに近い。 仕事、仕事で家にはほとんどいない。でも家で会うと超親バカか?と思うくらい構ってくる。 俺もあまり会えない父だから嫌がりはしないがさすがに暑苦しい。 「はあ…たりぃな。サボろうかな。」 と呟きながら学校と逆の方向へ行こうと体を反対に向けた瞬間、 「げっ……」 あいつだ。 「コラ、今、サボろうかな~とか思ったでしょ?」 「いやっ?」 「しらばっくれるな!」 「目をそらしながら言われても説得力ゼロですねぇ颯太くん」 こいつは 桃香。さっき言っていた中学のクラスメイト。家が近所でよく登校前に会うので厄介だ。 「行くよ!行けばいいんだろ?」 「うん。行けばいい。」 「幼なじみなんだから行動パターンは読めるよ」 とクスクス笑いながら話す。 菜々子とは中学から知り合ったが桃香とは幼稚園からの腐れ縁だ。 「あっ!待ち合わせ遅れるっ!じゃっちゃんと学校くるんだよ?!」 「はいはい。」 「じゃあとでね!」 「おう」 というとあいつは俺の横を通り抜け走っていった。 しょうがねぇ…行くか。 と俺もあいつが走っていった方へ歩いて学校へと向かった。
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