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喪服に身を包んだ人々は目を赤く腫らしたまま帰っていた。 俺は親族にサヨナラを言って、家までの道を歩く。 もうこんなに暗くなった。 明日から学校かあ。 部活後はいつもこんな暗さの中をお前と帰ったよなあ。 汗臭い俺にマネージャーのお前はくしゃっと笑ってお疲れ様って。 いつもこの道を。 堪らない気持ちになって走り出した。 いつも帰った道を走って 走って 走って 川が見えた 足は止まらずに 俺はそのまま 河川敷に転がり落ちた。 『痛え』 仰向けになった俺の上で月が笑っていた。 『痛えよ』 明日お前は部活に来れないな。 『痛え…』 こんな痛みを感じる事もないのか。 明日世界にお前がいないのか。 涙が溢れた。 なんて、つまらない夜なんだ。 お前がいないと、なんで、こんなに お前が居なくなって、 なんで今更、 お前が好きだって、  
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