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何でもない日に髪を切ってみた
シャコン
シャコン
と黒い髪が一本一本落ちていくのを眺めたくなった。
鏡越しで見る私の髪は艶やかに宙を舞うように落ちていった。
そして鏡の中の私に目を合わせると、私の知らない私がそこに居た。
帰り道柔らかいコンクリートを踏みつけていく。
やけに肩が軽くて、寂しくなった。
ショートヘアーの主人公の私の背には鮮やかな青い空が広がって、
爽やかに衣替えした主人公の私はホロリと涙する。
静かに一滴流しきった主人公の私は、「恋の終わり」を理解する。
そんな何でもない日に見た青い空。
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