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今までにいなかったタイプだ。
正反対な性格っぽいのにお互いをちゃんと分かってる感じ。
友達もろくにいない私には少しだけ羨ましく思う。
「芯さんは早く結婚して、落ち着いたほうがいいと思います」
そして、私に関わらないでくれるとありがたいんだけど。
「しばらくは無理かな。仕事でそんな暇ないし、例え結婚しても鈴のことを遠ざけようとも思わない」
あからさまにイヤな顔をしてみても、ニコニコと笑顔でかわされてしまう。
「じゃあ、またね鈴」
夕飯は食べ損ねたし、作る気力はもうなかった。
コンビニに寄って、サンドイッチとサラダに飲み物を買って帰った。
シャワーを浴びて、なんとなくテレビつける。
今日はいつも以上に疲れた。
一日を振り返り、普段必要性をあまり感じない携帯を手に取った。
メモリを出すと、ほとんどが中学高校時代の人たちばかり。
ノリのようなもので交換したから、ほとんど連絡したことがない。
ふと、新しく登録された名前に、一人暮らしをしてから久しぶりに笑みが浮かんだ気がした。
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