壊れかけのオルゴール

～アレグレット～

大学と会社の丁度中間ぐらいにある。
以前はカフェで待ち合わせして居酒屋に行ったりしていたけど、落ち着いて話しが出来ないと最近は却下されている。

大学や仕事が終わってから会うので、夕飯を食べていくし割り勘にしろって言ってもお金を渡しても受け取ってくれない。

奢られるなら、安いファミレスでいい。

時間までかなり早く来てしまったからレポートでもやってしまおうと筆記用具などを取り出した。

とりあえず、ドリンクバーだけ頼んでレポートに取り掛かった。

しばらくして、同じ歳か少し上ぐらいの男の団体が喫煙席に案内されていた。

話すのはいいけど入り口で騒いでデカイ声で話されて気分が悪い。

丁度、ドリンクもなくなったしグラスを持って席を立った。

紗英がいてくれれば話題に困らないのにと、ドリンクを注ぎながら思った時、

「あの」

すぐ隣で声がしたから反射的に顔をあげてしまった。

見れば、さっき騒いでいた連中のひとりだ。

「もしかして今日、合コンする子じゃない？」

「は？」

私の反応を見れば、勘違いだろうとすぐ分かりそうなものなのに、気にした様子もなく話を進めている。