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「オレたちちょっと早く来たみたいでさ。良かったら君の友達が来るまで話そうよ」
「写メでも見たけどカワイイね。オレ来て良かった」
「オレも。ひとりで来たの?」
よく分からないが、おそらく教室で言っていた合コンの相手らしい。
いつの間にか友人らしき人が増えていた。
こんなところで待ち合わせなんてするな、と叫んでしまいたかったけど、場所が場所である。
「違います。私関係ありませんから」
「だって、梨咲(りさ)からのメールに君写ってたよ?」
梨咲が誰だか知らないけど、余計なことしてくれる。
新手のイジメかと考えたが、関わりたくなかった。
「とにかく違うから」
「えーじゃあ君も参加してよ」
「イヤ」
「多いほうが楽しいじゃん」
「私は苦痛です」
「名前なんていうの?」
「答える必要ない」
とにかく、このアホな連中から抜け出して、待ち合わせ場所を変えよう。
「それじゃ」
「ちょっと待って」
強い力で腕を引かれ、バランスを崩して持っていたオレンジジュースが胸元を濡らした。
「バカ! 何してんだよ!」
「悪い! 大丈夫!?」
「……最悪」
グラスを置いて、設置されているおしぼりを手にとって、台や床が濡れたところに置いた。
それに、最悪なのはこれだけでは終わらなかった。
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