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「俺も写メ見たけど、参加じゃないんでしょ?」
「違います」
「だって、上総」
「……なんで俺に言うんだよ」
「なんとなく」
コロコロと表情が変わる。
背も高くて笑った顔が可愛い。
それに、同じ大学の女連中からは抜け駆けだと散々非難されたのに、一瞬で信じてくれた。
「それにしても、あんたら感じ悪いね。この人、違うって言ってんじゃん」
可愛い顔して言うことは言うらしい。
おかげで、少しスッキリした。
「それは、だって」
先程の強気はウソみたいにオロオロしている。
まぁ、どうでもいい。
「鈴?」
そして、この人まで登場とはついてない。
「早く終わったから来たんだけど」
目で、この人たちはと聞いている。
スーツに少しだけ崩したネクタイ。
甘い笑顔を向けられ、女連中たちの頬が色づいた。
「同じ大学と隣の大学の人」
「あぁ、鈴の友達?」
ニコッと無駄に笑顔を撒き散らすから、思わずため息が出る。
「あの、あたしたち」
「違う。ただ同じ学科の人。男性陣は初対面。荷物あっちに置いてるから」
もう視界に入れたくなくて空になったグラスにジュースを注ぎ、席に向かった。
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