壊れかけのオルゴール

～センプレ～

賭けをしてから2週間経った。

結果はまだ出ていない。

あれから何か変わるものでもなくて、私自身も勿論変わっていない。

大学に行って課題をこなし、バイトをして家事をする。

このサイクルの繰り返し。

楓さんの所には行っていない。
芯さんからくどいぐらいあった連絡も、さすがに減った。

一人暮らしが出来なくなるのは避けたくて、メールだけは最低限返す。

芯さんからのメールはいつも通りだった。
あんなことを言った私に、特に責めたりする内容ではなく、体調を気にかけるものだった。

それに対して、後ろめたさや罪悪感はなかった。

他人だって、いくらでも気を遣えるもの。

そして、どうして芯さんからの連絡が少なくなったのか、カレンダーを見て分かった。

「……しまった」

一人暮らしをさせてもらうための条件のひとつに、一ヶ月に一回は家に顔を見せにくること。
今月はまだしていない。
こんなことなら早めに行っておけば良かった。

とりあえず、芯さんに家に行くことを伝えた。
すぐに返事があり、両親に伝えておくと書いてあった。