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プロローグ
…………………………………
空気が重苦しい…
とある海軍司令部、下を見れば赤い絨毯、横を見れば豪華な机などの調度品
上を見れば照明もかなり高価そうな物だ
自分はその部屋の入り口付近で冷や汗を浮かべつつ、背骨が伸びんばかりに真っ直ぐと立っている
一般出の自分からすると、あまりに場違いな場所なため緊張するのもしかたがない、しかし、この空気感は室内の装丁から来るものではない、原因は…他にある
「あー、そんなに緊張せんでもいいのだが」
「そうだ、もっと楽にしたまえ」
原因はこの声の主達だ
「はぃっ!」
ぱっと見ただけでも陸海空軍のお偉い方、しかも元帥クラスの人物がちらほらと
すいませんストレスで死にそうです
「君が呼ばれた理由だが…」
きた!何?何!?自分何かやった?やらかした!?
「君を本日付けで呉鎮守府提督に任命する」
「……はぃっ?」
「聞こえなかったのかね、君を呉鎮守府の提督に任命するのだよ」
なんと?
「あっ、いや、聞こえたのですが…自分が…ですか?」
「そうだ」
聞き間違えじゃあ無いらしい、てっきり査問にかけられるものかと思い、話の落差に脳がついていけない
「なお拒否権はない、極秘な任務ゆえ詳細は現地にて引き継いでくれたまえ」
「あの、1つよろしいでしょうか?」
「内容によるが可能な限り答えよう」
「なぜ自分のような新兵が急に提督など…?」
もっともな質問をした、自分はまだ入隊して半年、提督どころか隊長すら全うできるか怪しいひょっ子だ
「…………………………我々は君に、その、アレだ、戦闘に役立つ何かを見いだしたからこその人選だ」
言い淀んだよ!?絶対嘘だ!?こっち見てないし!!?それに左の人凄い脂汗!?さらにあの人は頭抱えてる!?えっ?涙?何故に!?
「理解したかね?したなら直ちに荷物をまとめ出発したまえ」
「あぁっと、はぃ、ワカリマシタ…」
言葉に出せない不安を背負わされつつ、自分は敬礼し部屋を退室した
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