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片側の髪を耳にかける仕種さえ綺麗な堺を眺めながら、ふと思った。
──堺は、決めているんだろうか。
将来のこと、数年先のことを。
何も考えていないように見えて、意外と思うところがあるのだろうか。
そんなことを考えていると、教室の前方から女子が焦った様子で入って来た。
そちらに目を移すと同時に腕を突かれて、うなだれている連中に意識を戻して。
再びぐだぐだ言い出した奴らの話に生返事をしていると、
「実李!!」
あいつを呼ぶ声が再び響いて、横目でそちらを見た。
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