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来た道を辿って教室に戻った。
放課後。
ヒーターを消されて冷えた空気に、身を震わせて扉を開けば。
「…あ、江口くんだ」
「…おー」
窓際の、ちょっとした出っ張りに腰掛けていたクラスメイト──堺 実李(サカイ ミノリ)。
肩までの茶色いボブ頭を傾けて笑う姿は、とても綺麗だと思う。
綺麗だと思うし、たまに話したりするけど……
いまいち、掴めない奴。
「江口くん……、忘れ物?」
「そんなとこ」
「…そっか」
それに、綺麗と言っても、こいつの笑顔はどこか作り物めいている。
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