いまいち掴めない奴

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なんとなく話を逸らされた気がして、このまま逃がすのはなんとなく悔しくて。 「で、結局、“家”には帰らないわけ?」 遠慮なんかせずに、直球で聞いた。 だって、こいつは。 「あは。なに、お説教?江口くんらしくないね」 今度はわざとらしく声を出して笑って、軽く受け流したけど。 こいつは、家に帰らないことで有名だ。 いつも友達の家に泊まって、学校に来て、また友達の家に泊まる。 お得意の、広すぎるツテに頼って生きているようなもので。 真子って奴も、泊めてもらうから待ってるんだろう。 視界の端で堺が窓の外を見たから、そちらに目を移せば、雪が降っていた。 堺は子供のように、窓に張り付いてその様子を見ている。
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