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「まだ明確に決まってない人は、私立か国公立か、専門学校か短大か…どんな学科かでもいいから。将来就きたい職業でもいいよー」
教室に響く担任の声。
皆、配られたばかりのプリントと睨み合い、ペンが進んでいない。
「来週までに提出、以上!」
そう言って担任が教室を出ていくと、どっと騒がしくなった。
「う"ぇ~…こんなん決めてねぇよぉ~」
「俺は食っていければ何でもいい…」
「私立は高いとか言ってケチつけられるしなぁ」
…俺の周りも、例外ではない。
ぐだぐだ言って机に突っ伏している、(一応)友達に些か呆れて。
「なんなんだお前ら…」
「なんだよ拓也、お前決めてんのかよ?四大とか就職とか」
「地元の国公立行って、将来は公務員」
すかさず言えば、一斉に顔を上げた奴ら。
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