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二人の葬式にも泣き真似をして、気絶をしたふりをして布団のなかで休んでいる。
すると、襖が開く音がし、布団の中でいじっていたケータイの電源を急いで消した。
ストンとわたしの枕元に座る誰か。
「利佳ちゃん…」
否、みゆきおばさんだ。
「なんですか…みゆきおばさん……」
ゆっくりと布団からでて、みゆきおばさんと向き合うように座る。
みゆきおばさんは、細いからだが以前より痩せこけ、
化粧臭かった匂いではなく、煙たい線香の匂いを纏わせていた。
不謹慎かも知れないが、みゆきおばさんの着ている黒い喪服が
白い肌によく映えている。
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