ずっと一緒にいられたら

2/12
前へ
/176ページ
次へ
10月……季節は秋。 「……遅い」 男はイライラしていた。友達と学校へ向かうため、コンビニで待ち合わせをしている。 その友達が時間になっても来ないからだ。 「アイツ1人のために3人が遅刻になる必要は無いな」 男はコンビニの中に入っていった。 「七海、悠美、アイツ来ないから先に行こうぜ」 雑誌コーナーで立ち読みをしている七海(ななみ)と悠美(ゆうみ)に声を掛けた。 「あれ、出流、泰史は?」 七海が出流(いずる)に尋ねると、出流はしかめっつらで口を開いた。 「これ以上待てない。遅刻になっちまう」 「電話したの?」 続いて悠美が出流に尋ねる。 「したよ。でも出ねーんだもん」 それを聞き、七海と悠美はため息混じりに雑誌を棚に戻し、3人でコンビニの外に出た。 すると遠くから3人を呼び止める声が。 『待ってェェ!』 3人は声の方を見ると、汗だくになりながら全力で走ってくる男の姿が。 「遅ェよ、バカ!」 『ごめんよー!』 遅れてきた男はこの物語の主人公。名は泰史(たいし)。 _
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加