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10月……季節は秋。
「……遅い」
男はイライラしていた。友達と学校へ向かうため、コンビニで待ち合わせをしている。
その友達が時間になっても来ないからだ。
「アイツ1人のために3人が遅刻になる必要は無いな」
男はコンビニの中に入っていった。
「七海、悠美、アイツ来ないから先に行こうぜ」
雑誌コーナーで立ち読みをしている七海(ななみ)と悠美(ゆうみ)に声を掛けた。
「あれ、出流、泰史は?」
七海が出流(いずる)に尋ねると、出流はしかめっつらで口を開いた。
「これ以上待てない。遅刻になっちまう」
「電話したの?」
続いて悠美が出流に尋ねる。
「したよ。でも出ねーんだもん」
それを聞き、七海と悠美はため息混じりに雑誌を棚に戻し、3人でコンビニの外に出た。
すると遠くから3人を呼び止める声が。
『待ってェェ!』
3人は声の方を見ると、汗だくになりながら全力で走ってくる男の姿が。
「遅ェよ、バカ!」
『ごめんよー!』
遅れてきた男はこの物語の主人公。名は泰史(たいし)。
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