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『いやぁ、焦ったね……』
息を整え、泰史が出流に言った。
「お前だから間に合ったんだよ。お前は元陸上部だからな」
『まーな。高校入ってからはだいぶ鈍ったけど、まだまだイケるね』
泰史が親指を立てて言った。
「あー、泰史」
すると七海があることに気付く。
「制服のネクタイ、ズレてるよ」
『あぁ、すまん』
七海が泰史に近付き、ネクタイを整える。
「はい、これで大丈夫」
『うん、ありがとう』
その光景を、出流と悠美は微笑みながら眺めていた。
「まるで夫婦の朝の光景だな」
「うん」
その会話に七海が気付いた。
「何か言った?」
「別にー」
4人でじゃれあってると、出流が腕時計に目をやった。
「ぼちぼち行こうぜ。どっかの誰かさんのせいで、遅刻しそうだからな」
3人は冷めた目で泰史を睨む。
『いや……ごめんよ。マジですいません……』
視線に耐えられず、泰史は真剣に謝ってしまった。
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