10人が本棚に入れています
本棚に追加
5人で階段を上がっていく。
「じゃあ私たちこっちだから、またね」
悠美と七海が軽く手を挙げ、泰史たちと反対側に向かった。
「泰史!」
突然、七海が泰史の名を叫ぶ。
『んー?』
泰史は顔だけ振り向いてみせた。
「寝る前はケータイのマナーモードを解除すること! わかった?」
『はーい……てか何でそのこと知ってんだ!?』
泰史は七海の言葉に驚き、身体全体を振り向かせた。
「泰史の事なら……何でもわかるんだよ。じゃあまたねー」
『えっ……』
元気よく手を振る七海を、呆然と立ち尽くしたまま見送った。
「おい、泰史。置いてくぞ」
『あ……うん、待ってくれ』
出流の声にハッとし、小走りで2人に追い付く。
『俺の事は何でも知ってるって……アイツすげぇな。やっぱ過ごしてきた月日が周りのみんなとは違うからかな』
泰史の言葉に、出流と陽輝は顔を合わせた。
「泰史、七海ちゃんのこと大事にしてやれよ」
陽輝が泰史の肩をポンポン叩きながら言った。
『えっ、なんでよ』
「なんでもだ。先輩の言うことに黙って従いなさい」
陽輝が腕を組みながら偉そうに言った。
_
最初のコメントを投稿しよう!