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昼休み……。
『最初はグーッ!』
泰史、出流、陽輝の3人は売店のパンを買ってくる係を、ジャンケンで決めていた。
『ジャンケン……』
結果……。
『アニキの負けー!』
陽輝が負けた。
「クッソ、お前ら……先輩に昼飯を買いに行かせる気かァ?」
陽輝は両手と両膝を付きながら悔しそうに言った。
「最初に言い出したのは先輩だ。自分が負けたからって、行かないのはどうかと思う。こういうときだけ先輩面しないでいただきたい」
出流は地面に平伏している陽輝を見下すように言った。
「……なんかお前、冷たくね? てか、ヒドくね?」
陽輝が立ち上がり、両手で膝に付いたゴミを払う。
『俺、焼きそばパンとカレーパン! はい、これ』
陽輝の言葉を無視して、泰史が自分が食べるものを注文し、陽輝の手にお金を握らせた。
「120円……ホントにこれで足りるのかよ」
『足りる。絶対足りるよ』
泰史は親指を立てながら言った。
「……で、出流は何食うんだ?」
「そうだな……コロッケパンがいいな。はい、代金」
出流も陽輝にお金を渡した。
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