二度目の修学旅行

出発

「ぎゃー」

葉留佳の叫びが響いた。

「真人君と謙吾君が車の後ろを必死の形相で走って着いてきてるー！」

「ほら、大丈夫だったろう。」

「いやまぁ、あの二人なら出来そうだけどね。もう少し心配してあげようよ。」

「美しくありません。」

「西園さんも二人に対してひどいよ。」

「私は男性同士がくっつき合うのは美しくないとならないと思います。なのにあのお二人は全く美しくないです。」

「えーと、美しいって？」

「すいません、分かりづらかったですね。あのがたいのお二人があんな事をしていても全く萌えません。なので直枝さんも混ざってください。そうするだけで素晴らしいものになります。加えて恭介さんも入っていただければ最高のシチュエーションです。」

「ごめん、よくわからないや。」

「俺はあいつらと走るのも楽しそうで良いが、運転できる人材がいないからな。悪いが今回は諦めてくれ。」

「そうですか。では、いずれ。」

「ところであの二人はいつまで走ってるのさ。そろそろ乗せてあげようよ。」

「いや、あいつらなら大丈夫だ。それに楽しんでるみたいだしな。」

振り返ると汗だくになりながらも笑顔で走っている男二人が見えた。