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月明かりが差し込むクオイの森、その光が地を照らす場所で羽衣を纏った少女が降り立った。
「この地にはあの人の息がかかっていない・・・此処なら私の浄化の力を使える・・・汚れなき土地よ、我が浄化の洗礼を受けよ・・・」
彼女は鏡を使って白い紋様を自分の足場に描いた。
「これでこの土地はエアルの汚(けが)れは発生しない・・・」
《トサッ・・・》
「眠い・・・生い茂る木々よ、我に安息の空間を与えたまえ・・・」
少女が言うと、木々は答えるかのように、枝を差し出して来た。
「有難う・・・一緒に寝ましょ・・・」
少女はすぐに眠った。その彼女の不思議な一連の行動を見ている者がいた。
(どうやらただ者じゃないべっぴんさんみたいね・・・明日、青年に少年を連れて行ってみるとしますか・・・)
その者は女の子を起こさないように物音立てず、静かに立ち去った。
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