ギルド登録&殺し屋認定

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 世界を繋ぐ次元の穴は、俺が出た瞬間に跡形も無く消えた。  辺りを見回すと、俺が出た所は王道的に森……なんてことは無く、王都に続く道の横にある木の裏。  出てくる地点を選べるのに、わざわざ面倒臭い真似はしたくもない。  魔物に襲われる美少女とか、盗賊に襲われる姫様を助ける物語は全くと言っていい程求めてないしな。  まぁ、そんなことはどうでもいい。さっさと王都へ行き、ギルド登録をする。  辺りには目もくれず、大自然に囲まれた一本道を悠々と進んで行くと、高さ20mのレンガ製の塀が大きく円を描いているのが見えた。……あの中に王都があるのか。  この世界──【レイアルグ】に国は1つしかない。大陸も1つだ。丸形の大陸のど真中に王都──【シアランザ】があり、周りに色々な町や村が成す。  王都には国唯一の城、学園、ギルドが存在する。  俺が目指すのは【ギルド】であり、他人からの依頼を代わりに達成するだけで金が貰える、金儲けに最適な施設だ。  さっさと済ませたいし、あまりグダクダしてると昴に会いそうだ。  …………ハァ。  ……見えないが、今俺は相当怖い顔をしてるんだろうな。昴を思い出すと言葉に出来ない怒りが沸々と込み上げる。  ……今は忘れよう。  気持ちを落ち着かせる為に深呼吸していると、横30m、縦20m……要するに塀の高さまでの銀色の派手な門が見えており、その両端にいる凛々しい顔立ちの若い男の門番が背筋を伸ばして立っていた。
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