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ベッドに倒れ込み、圧倒的な睡魔に襲われて6時間後、俺は機嫌を悪くして起床した。
……とてつもなく嫌な夢を見た。
夢の中で唐突に現れたのは昴。それだけでも気分は最悪なのに、あり得ないことを笑顔で口走ってたんだ。
仲直りしよう、と。
あり得ない。馬鹿だろ、んな確率ゼロだ、0で零だ。
ふざけんな。
…………ハッ!
「…………」
無意識に嘲笑ってたら、俺の邪悪なオーラのせいで寝ていたベッドが一瞬で腐った。
瞬きを数回繰り返して唖然としてしまったが、冷静に時間を戻して直す。
時間が戻り過ぎて新品状態になったけど。
「ハァ…………」
溜め息を吐いて、仰向けでベッドへ再び倒れ込む。
ヤバい、気持ちいい。フカフカ……。
頭の中で2度寝、という考えが過った。まだ9時半だしな……。
ただ、あの夢をもう1度見るかもしれないと思うと、途端に眠る気も失せた。
それにだ。この世界に来て……邪神になって初戦闘になる。少しでも身体を慣らした方がいいだろう。
……仕方無い。ギルドで依頼を受けるか。
ベッドから身体を起こし、ハンガーに掛けてあったロングコートを羽織る。
纏った黒色に落ち着いた感覚を覚えながら、俺はギルドを目指すべく宿を後にした。
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