10人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
小鳥の囀りが朝の始まりを告げ、それに合わせ、目覚める人々はいつもと変わらない日常を送り始める。
……だが、そんな中まだ眠っているこの少年、二神彰は普通の人達とは違う日常を送っている。その要因は2つある。
1つ目は【両親の死】。中学生の時に両親を病気で亡くなり、独りぼっちになってしまった事。
2つ目は…………。
「彰、早く起きて! 学校遅れちゃうよ」
「ん~、あと……もう少し……」
幼馴染み【柊御里】の存在。
「ダ~メ! ほら、起きた起きた!」
カーテンを開け、朝の日差しを彰に浴びせる。まだ眠い目を擦りながら、彰はゆっくりと体を起こした。
「……おはよう、御里……ふあ~ぁぁ」
「おはよう彰」
朝の日差しに負けないくらいの笑顔を彰に振る舞い、挨拶を交わす。
少女の名は柊御里、容姿端麗で抜群の運動能力を持ち、彰の家の向かいに住んでいる彰の幼馴染み。彰とは幼稚園時代から一緒で、その後小中も同じ学校に通い、毎日のように遊んでまわるほど、彰とは仲が良い。さらに、
「朝食作ったから、早く着替えて一緒に食べよう」
こうして、彰のために朝起こしに来てくれてさらに朝食を作りに来ている。
「分かった、着替えるから部屋から出て行ってくれ」
「うん、それじゃあ下で待ってるね!」
御里が部屋から出たのを確認した後、彰は眠気で重くなっている体を何とか立ち上がらせ、少し時間が掛かったが、制服に着替えて部屋を出た。
最初のコメントを投稿しよう!