第一話 許嫁ができました。

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 小鳥の囀りが朝の始まりを告げ、それに合わせ、目覚める人々はいつもと変わらない日常を送り始める。  ……だが、そんな中まだ眠っているこの少年、二神彰は普通の人達とは違う日常を送っている。その要因は2つある。  1つ目は【両親の死】。中学生の時に両親を病気で亡くなり、独りぼっちになってしまった事。  2つ目は…………。 「彰、早く起きて! 学校遅れちゃうよ」 「ん~、あと……もう少し……」  幼馴染み【柊御里】の存在。 「ダ~メ! ほら、起きた起きた!」  カーテンを開け、朝の日差しを彰に浴びせる。まだ眠い目を擦りながら、彰はゆっくりと体を起こした。 「……おはよう、御里……ふあ~ぁぁ」 「おはよう彰」  朝の日差しに負けないくらいの笑顔を彰に振る舞い、挨拶を交わす。  少女の名は柊御里、容姿端麗で抜群の運動能力を持ち、彰の家の向かいに住んでいる彰の幼馴染み。彰とは幼稚園時代から一緒で、その後小中も同じ学校に通い、毎日のように遊んでまわるほど、彰とは仲が良い。さらに、 「朝食作ったから、早く着替えて一緒に食べよう」  こうして、彰のために朝起こしに来てくれてさらに朝食を作りに来ている。 「分かった、着替えるから部屋から出て行ってくれ」 「うん、それじゃあ下で待ってるね!」  御里が部屋から出たのを確認した後、彰は眠気で重くなっている体を何とか立ち上がらせ、少し時間が掛かったが、制服に着替えて部屋を出た。
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