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1階へ降り、一旦洗面所に向かった彰は寝ぼけた顔を水で洗い、眠気を吹っ飛ばした後、リビングへ足を運んだ。
「やっと来たー、遅いよ! さっさと朝ご飯食べて、学校遅刻するよ」
「わーったよ、そんじゃいただきます!」
「はい、召し上がれ」
彰は、じっくりと御里お手製の朝食を堪能しつつも、手早く完食させ、食器を台所に運び、水に浸した。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様です」
「よし、行くか!!」
彰は鞄を手にし、リビングを出る。それに続いて御里も退出した。
玄関で靴に履き替え、扉に手を掛けたとき、彰は何かを思い出したみたいで「あっ」と声を漏らした。
「どうしたの?」
「今日の放課後、時間あるか?」
「うん、大丈夫だよ。でも、どうし――あっ……そっか、今日」
「そう、今日は父さんと母さんの命日なんだよ……」
「やっぱり……――って、彰! 時間時間!」
御里に言われるまま、彰は時計を確認する。
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