第一話 許嫁ができました。

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 1階へ降り、一旦洗面所に向かった彰は寝ぼけた顔を水で洗い、眠気を吹っ飛ばした後、リビングへ足を運んだ。 「やっと来たー、遅いよ! さっさと朝ご飯食べて、学校遅刻するよ」 「わーったよ、そんじゃいただきます!」 「はい、召し上がれ」  彰は、じっくりと御里お手製の朝食を堪能しつつも、手早く完食させ、食器を台所に運び、水に浸した。 「ごちそうさまでした」 「お粗末様です」 「よし、行くか!!」  彰は鞄を手にし、リビングを出る。それに続いて御里も退出した。  玄関で靴に履き替え、扉に手を掛けたとき、彰は何かを思い出したみたいで「あっ」と声を漏らした。 「どうしたの?」 「今日の放課後、時間あるか?」 「うん、大丈夫だよ。でも、どうし――あっ……そっか、今日」 「そう、今日は父さんと母さんの命日なんだよ……」 「やっぱり……――って、彰! 時間時間!」  御里に言われるまま、彰は時計を確認する。
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