1003人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあどっちが落とすかやってみようか?」
あたしが悪い顔をすると
千里もニヤリと笑った。
「じゃああたし弟の方ね。真弓は兄の方。いい?」
「いいもなにも、まだどっちが兄か弟かわからないっつーの。」
「ま、それもそうか!あははっ!」
ランチタイムが終わってあたしたち従業員たちは遅いお昼休みをとっていた。
「おはようございます。」
きた、麗子だ。
「ねぇ、今賢司くんどこにいるの?もしかして真弓の家?」
千里がこそこそ耳打ちしてきた。
「たぶん。あいつやることないみたいだし。」
「麗子が知ったらヤバくない?ドキドキするぅ~」
千里はなんだか嬉しそう。
「あんたね~人ごとだと思って~」
「あ、きたきた!双子!」
さっきの大槻兄弟がキッチンの研修から帰ってきた。
「やん。やっぱりカッコイイ!」
今までキッチンで大槻兄弟を教えていた店長が
「今日いきなりだけどこの兄弟の歓迎会やるから。」
と言い出した。
でた~このカラオケレストランの掟。
バイトの歓迎会、送別会は必ずやること。
それがこの店のルール。
最初のコメントを投稿しよう!