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螺旋階段の終わりが見えた頃には、4人は異常に気付かざるを得なかった。階段の終わりにアーチ状の門があり、その奥からはっきりと光と熱気が漏れている。
≪ニノ≫「なあ、リオレウスが風邪でも引いて熱にうなされているのか?」
≪レン≫「ルチル、あなたは本当に残った方が良いかもしれないわ」
≪ルチル≫「はー?入りたてだけどわたしいちよう軍人ですし、任務放棄なんてしませんよっと」
≪マシュー≫「あの先は大部屋が有ると聞いているが…そこに居るとみて間違いない様だ。だが、物音はしない。寝ているなら調査には絶好のタイミングだ。覚悟が出来ているなら行くぞ」
モンスターは活動していれば、その巨体から音なり振動なりの情報を発しているものだった。深入りしなければハンターで無くとも、それなりに訓練された軍人なら逃げる事は可能であり、何度もそうやって調査を成功させてきた。そういった経験が、危機感を薄らさせていた。未知のモンスターに対し、今までの経験が当てはまる確証など何処にも無い。4人は、炎帝の領土に侵入してしまった。
部屋に入ると4人はすぐに光源に気付き、そちらを向こうとした。次の瞬間、ニノは3人を入って来た門の方へ突き飛ばした。螺旋階段と大部屋の間の通路にいる3人からは、唯一部屋に残る形となったニノが、凄まじい速度で飛来した巨大な火の玉に飲み込まれるのを見た。逸早くマシューが、状況を飲み込めず呆然とするレンとルチルの腕を引っ張り、螺旋階段の方へ駆ける。
≪マシュー≫「階段を下りるぞ!」
レン、ルチルはその言葉で我に返り、やっと走り始めた。通路を抜け、マシューは二人を先に下らせようとするが、ここで通路の方を振り返ったマシューがある事に気付いた。通り抜けた通路の方から、キラキラと輝く粉塵が舞っている―。
次の瞬間、粉塵は大爆発を起こした。レンとルチルを先に逃がそうとしていたマシューは、門を破壊しながら噴き出す爆炎の中に消えていった。レンとルチルが振り返った時にはマシューの姿は無く、代わりに煌々と輝く炎に身を包んだ塔の主が、残った侵入者を仕留めようと、牙を剥いていた。
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