1人が本棚に入れています
本棚に追加
フェンスを越える。一歩足を外せばその先には、「いま」の世界からは消える。その先は闇という人もいるけど、逆を説く人もいる。
みえない……わからないからこそ、それを覗いてみたい。
――というのは、ある種の建前で。
――ただ、生に飽きただけ。
けれど、生に飽きたと言っても別段、死に惹かれているわけでもないけれど。
友人が多くいるわけでもなく、恋人がいるわけでもない。学業でなにか得意なものがあるわけでもなく、ただ漫然と生を享受していた。
最初のコメントを投稿しよう!