冷たい雨

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 ――もう、いいよ。  生にも死にも、特段興味はなかった。生きていても疲れるだけだし、死んだ後はどうなるかわからないけれど、それが逆にそそられる。  ――どうでもいい。  最後にこのような回想をしたところで、だれがきいているわけでもない。それでも、おそらく、走馬灯のように、走っていく記憶の奔流が止まらない。  ――でも。  ――この世界と、お別れ。
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