2話 急襲

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「キルフィス・・・お前の事だから勘違いしてるだろう。」 「あ?」 冷たい目で親父を見る俺を無視するように話を続けた。 「この組織は、非公式な物だ。故に政府の圧力を受けることはほとんどない。」 思わず驚いた表情をしてしまう。親父が政府非公認の組織を立ち上げるとは思わなかったからである。 そう言ってとある部屋にキルフィスを案内した。 ・・・コンピュータールームである。それも最新の機器がそろっている。入口から入って目の前に電源の落ちた大型モニターとその両脇を挟むように小型モニターが数個並び、大型モニターの前にはホログラム装置が取り付けられている。デスクには制御装置やフラッシュメモリーやディスクがいくつか備えられていた。 部屋の脇にある棚には大型の銃器などが並び、イスはその位置に素早く移動できるように可動式になっていた。そして、部屋の隅には作りつけのベッドがある。 「今日からここがお前の部屋になる。大切に使えよ。」 そう言ってその部屋を立ち去ろうとした。急なことで納得できないキルフィスは親父の腕を掴み、 「納得できねぇ!なんで俺が!!」 と怒鳴った。親父は表情一つ変えることなくこう言った。 「戦力になると判断したまでだ。・・・それに、もうお前を離したくない・・・。」 それを言った親父の背中が、なんとなく哀しげに見えた。
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