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「あー、世界滅んじゃいなよ」
物騒極まりないことを口ずさみながら景色を見ている柳は社会人二年生。
そこそこな大学をそこそこな成績で卒業し、そこそこな会社に勤めている。
「あー、でも世界滅んじゃったらDVD返せねぇや」
やっぱ滅びませんよーにと、律儀なのか馬鹿なのか分からない男、それが如月柳なのである。
「つーか、世界滅んじゃったら返却もなにもかんけーなく無いですか?」
「おー、ポニーがまあまあ似合って今まで七回告白されて四回振って残りの三人は告白されたのに振られた高校からの我が後輩、桜野桜じゃないか」
「誰に説明してんすか、自分から告白してOKもらった瞬間に振って相手の親友に告白する人としてダメな柳先輩」
「桜、腹減ったからちょっとセブン行ってファミチキ買ってきて」
「死ねばいいのにこのダメ人間」
柳とどことなく似た雰囲気を出しながら批判する彼女は桜野桜。
如月柳と高校からの付き合いであり、唯一柳を見捨てず今の今まで面倒を見てきた束縛気味の女の子。
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