オノマトペ

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 月が光っている。それは真っ黒い紙の上に、黄色い塗料をポトッと垂らした様に。その下にある、二階建てのぼろぼろの木造校舎を照らしている。    校舎は不気味さを漂わせて、風のひゅるりと吹く度に、建て付けの悪い窓の硝子をカタカタカタと揺らしている。    今は第二体育館としてのみ使用されているこの校舎は来年には取り壊されて、ここは校庭になってしまう。    古くて不気味だから、七不思議の噂も後を絶たない。    十三階段、花子さん、メリーさん、自殺した少女の亡霊……。
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