オノマトペ

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 中には誰も居ない。真ん中に白い、陶器の汲み取り式便器がある。    道雄はしゃがみ込み、ゆっくり顔を近づけながら、薄汚れた便器をまじまじと見つめた。    むあっと便の香りが漂い、道雄はそれを鼻からすうっと吸い込む。   「あぁっ、水糸さん……」    道雄は沢山の汚物の臭いの中から、同級生の水糸さんの便の臭いを探し始めた。
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