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ジリリリッ!
けたたましく鳴り響く目覚まし時計の音で、俺は目を覚ました。
ハッキリ言ってまだ非常に眠いッ!
とりあえず、まだ主人を起こそうと必死で鳴っている目覚まし時計に軽く手を置いて休憩をやり、俺は静かにベットに倒れこむ。
ん~俺ってなんて優しい男なんだろ~
そんな優越感に浸っているとだんだん意識がうすれていき、俺は眠りに…
つけなかった。
なぜなら眠りにつく寸前、目覚まし時計をはるかにしのぐ強大な存在が俺の部屋に侵入して来たからだ。
「あんたッ!いつまで寝てるつもりッ!?とっとと起きて仕度しなさいッ!」
そう…母さんだ。
母さんはそう言うと同時に俺の布団を引きはがした。そして、なおも抵抗する俺に軽く(母さんいわく)蹴りをいれた。
「ゲフッ」
俺は文字通り叩き起こされ、しぶしぶ身仕度をし始めた。
…
階段を下り居間に行く。
そこにはもう父さんの姿はなかった。
俺の父さんは、うちから電車で40分ほど行った都会の保険会社に勤めている。
ま~一般的なサラリーマンだ。
母さんとは大学時代に知り合い、そのままゴールインしたと、この前ビールを飲みながら上機嫌で話してくれた。
当時の父さんは今より髪の毛が多かったらしいがそれを証明出来る写真が家に存在してないので、俺はその話しを信用していない。
{父さんは産まれた時からハゲだった。}
これが俺の結論だ。
用意されていた朝食を食べ終え、カバンを手に持ち、俺は学校へ行く事にした。
俺の通う高校は家からそう離れていない。歩いて行ける距離にあり今から家を出れば充分に間に合う。
「ほんじゃ~いってきま~す」
玄関の扉を開けながら、家の中に向かってそう言った。
返事を待たずに扉を閉めて、俺は空をあおいだ。
広がる青空には今日も変わらずに太陽が輝いていた。
いつもと変わらない朝…
そう。いつもと同じ…
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