変わらない日常

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春の陽気とでも言うべきなのだろうか?   歩いているだけで汗をかいてしまっている。   学校へは大きな鉄橋を一本渡り、国道にそって少し歩けばすぐに到着出来る。   もうこの高校に通い始めて2年目になるだけあり、この道もほとんど覚えてしまった。   鉄橋に差し掛かるぐらいになると、うちの学校の制服を着た男女がちらほら見えてくる。   友達と並んで歩くもの、自転車に乗ってさっそうと走りさって行くもの、中にはカップルの姿さえある。そして皆、同じ方向に向かって進んでいるのだ。   はるか彼方に、その波に逆らうようにしてこちらに走ってくる人影が見えた。   「お~い!まなぶッ!」   そいつは手を振りながら確実に俺に接近してくる。   っと言うより、もう少し声を小さくして欲しいものだ。そんなに大きな声を出さなくても充分聞こえてるって。   「ハァハァハァハァ」   俺の目の前で膝に手をあてて肩で息をしているのが、古川哲哉(ふるかわてつや)であり近所の幼なじみだ。   哲哉は昔から俺より身長が低かったが、声だけは体格に似合わず誰よりもデカかった。   「それで…そんな大きな声を出して、何かあったのか?」   とりあえず聞いてみる。   「ハァハァ…そそれがさ~…ハァハァ……………あれ?なんだっけ?」   …こういうところも相変わらずだ。   ってか、言うこと考えてから走ってこいよ!そうツッコミたくなる心情を押さえて俺は、哲哉をおいて歩き出した。   少し冷たい対応のように思えるが…ヤツの相手をするのはもっと時間に余裕がある時でないとならない。 実際に通学途中にヤツの相手をしたバッカリに遅刻届を職員室に出しに行ったことが数回ある。   「おいッ!まなぶッ!待てよ!?」   そう言うと哲哉は俺のところまで走ってきた。 そして、いつもと同じように哲哉のろくでもない話しを、俺はしっかりと聞き流しながら学校へと歩いた。image=47433505.jpg
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