くろ

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今日の明男はご機嫌である 趣味のクワガタが通販で届いたからだ 明男は急ぎ、箱を開け、クワガタを持ち上げる 羨望の眼差し なめ回すようにクワガタを観察するといつもの口癖を口にする 「だめだな」と 明男は愛用の金づちを手にすると最後の言葉をクワガタに浴びせる 「死ね」と 明男は机の上で足元が定まらず、ゴソゴソと動き回るクワガタめがけて金づちを振り下ろす グシャ 跡形もなく、潰されたクワガタ ミルクのような白いクワガタの体液が机に広がる・・
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