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そんな友人達が掴んだ男達に、晶子は何の魅力も感じなかった。
だからこそ、どんなに結婚式が続こうとも晶子は『まぁ、仕方ない』と出席することが出来たのかもしれない。
『綺麗よ、羨ましいわ』
などと上辺だけの賛辞を送ることも苦ではなかった。
本当に綺麗だったら意地でも言いたくはない言葉も、30近いくたびれた花嫁には不思議とすんなりと言ってあげることが出来たのだ。
『ちっとも綺麗でも、羨ましくもない』
必死の思いで漕ぎ着けた結婚にしがみつこうとでもするように、隣の冴えない男の腕を離すまいとする友人達が、晶子には哀れに見えた。
ところが、晶子のこんな優越感に対するしっぺ返しは思いの他早くやって来た。
漸く結婚ラッシュが終わったと思う頃に待ち受けていたのは、出産ラッシュだったのだ。
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