プロローグ

2/3
前へ
/51ページ
次へ
どうして謝るの? 森の中の奥深くの薄暗い所にあるコテージの様な家。 人にも会わないけれど、お母さんがいつもいてくれるから楽しいのに。 その家の中で、お母さんは私を抱きしめながら長い時間謝り続けていた。 「ごめんね。守りたかったのに、側にいたかったのに。でも、こうする事でしか守れなかった。」 そう言うお母さんの柔らかい髪の毛が、ほっぺに触ってくすぐったい。 「どうしたの?今日のお母さん変だよ?」 なんだか恐くて笑って言えたつもり。 それに気づいてお母さんは抱きしめる力を緩めると、目を合わせて笑ってくれた。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加