出会い

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ある森の中の大きな湖には、今日の快晴による太陽が木漏れ日になって射し込んでいる。 湖の透明度からいっても、それだけでもかなり幻想的な光景だが今日はそこに一人の人影が映りこんでいる。それがより一層の幻想性を醸し出していた。 水浴びをしているであろう、その人影は水滴を飛び散らせながら長い髪をかきあげる仕草の途中で動きを止めた。 人影は大きく息を吐くと、中肉中背で幼さがまだ残る顔を思いっきりしかめて湖側の草むらを睨む。 「そこの変態さんのご用件はナンデスカ?」 全く抑揚のない、むしろつまらなさそうな質問に草むらがガサガサしはじめる。
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