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「亮、起きてー」
「‥、無理」
布団にくるまってなかなか起きようとしない幼なじみ。
僕の一日は隣ん家に住んでる亮を起こすことから始まる。
小さい頃から亮を起こすんはなぜか僕の仕事。僕やないと起きひんのやって。
「早よ起きて~。遅刻しちゃう」
「しょーちゃ、ちゅ」
「また冗談言って‥怒るで?」
布団を無理矢理剥がすと、寝惚けて抱きついてきたから引き剥がして制服を渡す。
「んぅ…」
「ほらがんばって」
眉間にシワ寄せて渋々着替え始めた。
もう、ほんま寝起き悪い。
「ん、出来た」
「じゃ、しゅっぱーつ」
自転車に股がった亮の後ろに当たり前のように乗る。
時計を覗くと8時10分…ここから学校まで約20分、これはあかん。
「遅刻やっ。亮ダッシュっ」
「えー…」
「さっさ漕ぐー。」
「章ちゃんは後ろ乗ってるからいいけどさぁ」
ちょっとキツく言うとぶつぶつ文句言いながらも猛スピードで自転車を漕ぎはじめる。
遅刻したら何してもらおかなー。
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