第4話 天贈-ギフト-

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「おいおい、随分と好戦的だなぁ。俺の行動は人間社会にとっちゃ割と有益なんだぜ?ま、お前の後ろにいるガキ共があのゴミ共に襲われたか、俺の『セミュート』に襲われたかまでは分からねぇが。 あれ、待てあのゴミ共が出てきた辺りか見ていたが……チッ、時系列の整理が面倒くせぇな」 『お前、敵って事でいいんだな?』  口を動かし続けるウォーマの男へと銃口を向けた。先程のウォーマ達の大元はこのウォーマという事は把握しもう引き金を引くのをためらう理由はない。 「まぁ、話を聞けや――取引がある」 『なに?』 「あの後ろのガキ共二人を俺に渡してくれねぇか?そしたら殺すのはあいつ等みてぇなゴミ共を掃除し続けてやるよ」 『論外だ――』  敵が姿を変える前に引き金を引いた。だが敵の姿が変わるのは着撃するよりも早かった、チャージングを行う間を得られず撃った波動弾の為に展開された羽に容易く防がれる。  先程のウォーマよりも数段強靭なのが見て取れるひれ状の羽。顔面は凶悪な顎付きが特徴的だった。その種の名はフライングフィッシュウォーマ。  その両手にはトビウオの身体をまるまるモチーフにしたような双銃を構え引き金を引いた。連射で弾丸が吐き出されそれが二丁分、ウエイブのガンだけでは相殺しきれずに幾つも被弾する。 『ぐっ!!』 ウエイブの攻撃は全く届かず、その場に膝を着く。それでも尚、銃撃は止まない。後方には二人がいてそれなりにスペースがありバイクが二人の盾になるように影に隠れさせているがそれでも回避するのはこの場所でも得策とは思えなかった。 『ヒッポ……!!』 ≪パウ……!!≫  最大連射数が撃ちだされ弾幕が止む。ウエイブはすかさずにブレイガンからヒッポを外してローダーに装填する。そして、グリップレバーを押し込んだ。 ≪Armerd On≫  二色のオーラを纏いながらウエイブはフライングフィッシュに対して突き進みながらアーマードフォームへの転身を完了させた。ボディーには亀裂がはしり、そこから波動が勢いよく噴き出す。 『二色の波動かッ!!』  敵の照準が自分を定めている確かめて弾幕を浴びようとも勢いを緩めることなく突き進み、距離を詰めたところに脚を突き出した。 『ぐっ!!』  鈍い音共に足底が打ち込まれた。飛行能力による上昇で衝撃を和らげるがトンネルという空間はスペースが限られた場所故に跳躍で簡単に食らいつく。   
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