第4話 天贈-ギフト-

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「ふぅ――」 「大丈夫……?」  ルカが『着陸した』のは人気のない公園だった。そして、三人でベンチの上へと腰掛けていた。 「補給が必要かな――それよりも……」  七海の目には顔を手に当てている海翔がすこしばかり血の気が失せているようにも見えた。それも相まって彼の少年を見る目がもの凄く冷たく見えてしまった。 「君……本当はどっちなんだ――」 「……え?」  あまりのも冷たい声が少年の肩を震わせる。少年は海翔を見る目は怯えているだろうというのは握った手から伝わる震えから分かってしまう。 「命令されたのは事実なわけだろう?君が意図的に磯貝さんの財布を盗んだかどうか――」 「待って、たいようくん……その子は――」 「残念だけど、放っとくことは出来ないな。いくら年が幼いからって警察に黙っとくわけにはいかないだろう――さっきは逃げたけど、君の事は警察に言うべきなんだと思う」  何かを言おうとしたが警察にいう事が最善だというのを理解してしまう。盗みがどうのこうのというよりも迷子なのだから、この少年を放っておいたらまた今回のようなことにも巻き込まれかねない。 「今から適当に警察に行ってくるけど、そこを動くなよ。ウォーマとか流良とかが出たなら話は別だけど逃げた時は……もう俺は知らないぞ?」  最後まで冷たく言いのを止めずに海翔は立ち上がり二人へ背を向けて歩きはじめて去っていった。 「ぁ……」  海翔が見えなくなってから気が緩んだのか少年の目が涙ぐみ始めて流れ出し始めた。嗚咽が漏れて、小さい肩の震えが大きくなる。 「大丈夫?」 「……戻りたくないよ……」 「それって、おうちに?」  七海の問いに少年は首を縦に振って頷いた。その気持ちを理解できないわけではない故にせっかく逃げ出せたのを元の場所にもどす事になると思うと胸が苦しくなってくる。 「ごめん……最後におねがい。さっきみたいに――」 「……わたしでよければ」  せめて、自分にできる事をと七海は少年の願いに対して頷く。肯定を確認した少年は恐る恐るではあるが七海の元へと寄り添って胸元に顔を埋め込んだ。漏れてくる嗚咽が安らぐことなく泣いているのが想像についた。
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